最近読んだ本

とりつくしま (単行本)

とりつくしま (単行本)

重たい本に倦んで行間のすっきりした中編を読んでいるこの頃。
この世とあの世の中間で「とりつくしま係」に会った様々な人々の話がオムニバス風に続く。亡くなった人は一度だけこの世の無生物に「とりつく」ことができるという設定。
馬琴の嫁

馬琴の嫁

群ようこの力の抜けた感じが好きで、時々読む。滝沢馬琴の息子の嫁となったみちの話。高名な戯作者の家に嫁いだものの、みちの半生は順風満帆とは言いがたい。しかしみちはずば抜けてはいないが、ほどほどの才覚と器量と真の強さ、人としての公正さを持っており好ましい。
切羽へ

切羽へ

切羽とは炭坑の採掘した最先端をいうらしい。転じてそれ以上は先へ進めない場所。主人公は島で画家の夫と暮らす30代の養護教諭。ある年、勤務する学校に一人の若い音楽教諭が赴任してくる。