世界から猫が消えたなら

猫本の第二弾、「世界から猫が消えたなら」(川村元気)を読了。これも読み終わるのがもったいなくて少しづつ読んだ。 死を宣告された30歳の青年の心の成長、諦観が興味深いが、「旅猫リポート」といい、この本といい若い心優しい青年たちが亡くなっていく…

旅猫リポート(有川浩)

年始に奮発して購入した「猫本」の1冊目。ナナの猫語翻訳がほどよく痛快だった。読み進むほど主人公サトルの生い立ちに色んな仕掛けがあって泣かせるしくみ。少しやりすぎとも感じたが、猫をヒトやイヌより一段高く置いているところが猫好きには嬉しい。リ…

キャット・ウォッチング

なんと!1年ぶりの更新となる。 この本、雑誌クロワッサンの「ネコ特集」にでていたので、アマゾンで購入してみたら、大当たり!あんなにネコ通を自認していたのに、バイブルともいうべきこれを見逃していたとは!迂闊でした。この改訂版は岩合光昭氏の写真…

永遠の0

久しぶりに読み応えのある作品。戦記ものは苦手だったが、これは謎解きの面白味もあり、丁寧に読んだ。平和な時代であれば、穏やかなヒューマニストであったであろう宮部久蔵が、戦況の経過とともに荒んでいくのが悲しかった。永遠の0 (講談社文庫)作者: 百…

火群のごとく(あさのあつこ)

火群のごとく作者: あさのあつこ出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2010/05/17メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 15回この商品を含むブログ (12件) を見る「弥勒の月」「夜叉桜」につづく著者三作目?の時代小説。元服前の14才の少年剣士が主人公。たま…

東野圭吾

しばらく更新できなかったが、怒濤のような忙しい日々も最近ようやく落ち着いてきた。床に着いても10ページも読めない有様だった。 東野圭吾はさすが人気作家、とにかく最後まで息をつかず読みたくなる。もっとも最新作は予約60人待ちとかで、容易に手に…

猫のあしあと

猫のあしあと作者: 町田康出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/10/19メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 22回この商品を含むブログ (85件) を見る前作「猫にかまけて」のその後、著者宅と仕事場で預かることになった迷い猫たちの話。いくつかの悲しい別れ…

かのこちゃんとマドレーヌ夫人

かのこちゃんとマドレーヌ夫人 (ちくまプリマー新書)作者: 万城目学出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2010/01/27メディア: 新書購入: 16人 クリック: 114回この商品を含むブログ (110件) を見る待望の万城目学の書き下ろし小説。今回の主人公は小学1年の少…

天地明察

天地明察作者: 冲方丁出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)発売日: 2009/12/01メディア: 単行本購入: 28人 クリック: 758回この商品を含むブログ (405件) を見るいやあ、面白かった!久々に夢中で読んだ一冊。江戸時代、改暦という大事業…

最近読んだ本

とりつくしま (単行本)作者: 東直子出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2007/05/07メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 21回この商品を含むブログ (42件) を見る重たい本に倦んで行間のすっきりした中編を読んでいるこの頃。 この世とあの世の中間で「とりつ…

静人日記

静人日記作者: 天童荒太出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2009/11/26メディア: 単行本 クリック: 20回この商品を含むブログ (12件) を見るようやく予約の順番がまわってきた「静人日記」(天童荒太)を読了。前作「悼む人」の時は、主人公の人物像が曖昧模…

Sweet Auntとねずみ石

なにげなく手にした二冊、「Sweet Aunt」は15歳の少女、「ねずみ石」は13歳の少年が主人公。ジュニア小説なんだろう。SWEETの方は少女漫画を読んでいるようだった。ねずみのほうはミステリー仕立て。けっこう楽しめた。sweet aunt作者: さとうさくら出版…

まほろ駅前多田便利軒

まほろ駅前多田便利軒 (文春文庫)作者: 三浦しをん出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2009/01/09メディア: 文庫購入: 10人 クリック: 196回この商品を含むブログ (276件) を見る三浦しをん、二作目。主人公は過去の結婚?に鬱積をもつ中年男性二人。とはいえ…

ケーク・サレonキャンドルウィックの皿

ケーク・サレの本 (マイライフシリーズ 743 特集版)作者: カフェ・ド・ヴェルサイユ出版社/メーカー: グラフ社発売日: 2010/01/25メディア: 大型本購入: 5人 クリック: 64回この商品を含むブログ (13件) を見る図書館で借りたこの本。総菜パンのようなパウン…

最近読んだ本

ブログをさぼっていたら、読書記録がたまってしまった。忘れないうちに記録だけでも残そう。人生を変えた時代小説傑作選 (文春文庫)作者: 山本一力,縄田一男,児玉清出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2010/02/10メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 23回この…

天才までの距離(門井慶喜)

天才までの距離作者: 門井慶喜出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2009/12/05メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 3回この商品を含むブログ (10件) を見る美術ミステリーというのか、美術品の真贋をめぐる謎に大学準教授のわたしと不思議な味覚を持つ天才、…

帙と函

和の心で包む帙と函づくり―和綴本から文庫本、CDまで作者: 薮田夏秋出版社/メーカー: 日貿出版社発売日: 2010/01/01メディア: 大型本 クリック: 9回この商品を含むブログ (2件) を見る「帙(ちつ)」とは「書衣なり」と。古代中国で木簡や竹簡を包んだものと…

秋月記(葉室麟)

江戸後期、筑前の小藩・秋月藩。いつも本藩・福岡藩の脅威にさらされている。間小四郎(余楽斎)は仲間と藩の存亡をかけた戦いにいどむ。伏し影と呼ばれる忍び、剣豪顔負けの殺陣シーン、決闘、驕る悪家老じつは忠臣、天災。時代劇の要素が詰っている。小四…

待ってる(あさのあつこ)

待ってる 橘屋草子作者: あさのあつこ出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/02/05メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブログ (14件) を見る日銭暮らしの江戸、長屋の人々。稼ぎ手が病になれば、あっという間に一家は食うに困ることになる。少女お…

身の上話

書店員の古川ミチルは、東京へ帰る不倫相手にふとしたことで付いて行ってしまう。その際同僚に頼まれて買った宝くじが彼女の人生に思わぬ流転をもたらすことに。話は彼女の夫の独り語りで語られる。東京で窮地にあったミチルを文句もいわず居候させてくれる…

恋文の技術(森見登美彦)

著者お得意の冴えないもてない「腐れ大学院生」もの。全文が主人公の大学院生が書いた書簡で構成されているのに、春から秋にかけての主人公をとりまく人々の活躍がわかってくる。京都の大学から北陸のクラゲ研究所に左遷?された主人公が余りの淋しさに、心…

泥そつもりて(宮木あや子)

泥(こひ)ぞつもりて作者: 宮木あや子出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2008/11/26メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (12件) を見る時は平安、清和ー陽成−宇多天皇と引き継がれた皇位、そして中宮をはじめミカドをめぐる女たちを描く連作…

つくも神(伊藤遊)

つくも神 (ポプラの森)作者: 伊藤遊,岡本順出版社/メーカー: ポプラ社発売日: 2004/11/01メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 6回この商品を含むブログ (12件) を見るこの本は児童書。以前に手にした同じ著者の「鬼の橋」と「えんの松原」がよかったので、…

でんでら(佐藤友哉)

デンデラ作者: 佐藤友哉出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2009/06メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 69回この商品を含むブログ (67件) を見るこれはちょっと好みでなかったわ。棄老風習の残る北国の村。棄てられた老女たちは「でんでら」という共同体を作…

猫の本(藤田嗣治)

藤田嗣治画文集 「猫の本」作者: 藤田嗣治出版社/メーカー: 講談社発売日: 2003/07/18メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 20回この商品を含むブログ (34件) を見る最近PCに親しむにつれネットショッピングを覚え、これ購入した。「手仕事の家」(前述)に…

ファミリーツリー(小川糸)

穂高で「恋路旅館」を経営する料理上手な菊さん。男のくせにすぐに泣く流星君。夏休みになるとやってくるリリー(凛々)という美少女は、じつはいとこ叔母にあたる。やがて二人は恋に落ちるが、どうも男女の機微が逆転しているように感じる。リリーは名の通…

とんび(重松清)

広島の一都市で生きる父と息子をつづった長編。運送会社で働くヤスさんがようやく手に入れた優しい妻と息子との「家庭」。しかしそれも一瞬の事故により妻を失う。ヤスさんと息子(アキラ)は幼なじみの住職や小料理屋のおかみなど、ヤスさんの人柄に好意を…

宵山万華鏡(森見登美彦)

実は一度読み終わったものの、再読を余儀なくさせられている。恐るべし、森見登美彦。祇園祭宵山の一日の六つのエピソードがタイトルの通り、万華鏡のように入り組んで、前の話の女の子がたまたまぶつかった得体の知れない大男が後の話では、ちゃんと名前付…

手しごとの家

多数の写真。行きつ戻りつしながら興味深く読んだ。どこかに猫はいないかと探したり、いったい何人妻がいたのかとか、クリニャンクールとはパリの蚤の市有名なところだったんだとか。実は近くに同じ名前のパン屋がある。読みながら二十数年前に亡くなった祖…

イヌ・ネコ・ネズミ(戸川幸夫)

彼らはヒトとどう暮らしてきたか?が副題。イヌ、ネコ、ネズミは最もヒトと身近なほ乳類だが、彼らがヒトの近くで暮らすようになった訳は様々。イヌとヒトは信頼と友愛によって義務を遂行し、助け合うが、ネコは自分に都合がよいからヒトに近づき、ペットと…