泥そつもりて(宮木あや子)

泥(こひ)ぞつもりて

泥(こひ)ぞつもりて

時は平安、清和ー陽成−宇多天皇と引き継がれた皇位、そして中宮をはじめミカドをめぐる女たちを描く連作集。第一話「泥ぞつもりて」は陽成帝の男色がらみの殺人。第二話「凍れる涙」は清和中宮・高子と在原業平の恋。第三話「東風吹かば」は若き宇多帝と菅原道真藤原時平の愛憎を描く。第三話の道真と宇多帝の関係が微妙にすれ違っていくところが興味深かった。