手しごとの家

多数の写真。行きつ戻りつしながら興味深く読んだ。どこかに猫はいないかと探したり、いったい何人妻がいたのかとか、クリニャンクールとはパリの蚤の市有名なところだったんだとか。実は近くに同じ名前のパン屋がある。読みながら二十数年前に亡くなった祖父を思い出した。祖父は器用な人で、建具の修理、庭の造作、はては家の改築までなんでもできた。中でも風呂のモザイクタイルの意匠と流木に自ら大書した扁額、一枚板をくり抜いた便所のしつらえなど懐かしい。

<ヴィジュアル版> 藤田嗣治 手しごとの家 (集英社新書)

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